熱中症から都民の命を守る対策を!
熱中症で亡くなる方が急増しています。今年は8月だけでも20日までに148人。加えて新型コロナ感染症の拡大を受け、お盆前には「特に高齢者の皆様にはできるだけ外出を控えていただきたい」と、小池知事も会見で強調していました。昨年、屋内で熱中症により亡くなった方は90%でしたが、今年は95%に上っています。安心してステイホームできるためにも、熱中症対策は急務です。
共産党都議団は8月21日、エアコン設置費・電気代の補助、多摩地域の監察医増員等について、小池都知事あてに緊急申し入れを行いました。
エアコンの活用を呼び掛けるだけでは命は守れない
小池知事は8月14日の記者会見で、「連日、熱中症アラートが発令されている」としたうえで、「再三再四のお願いですけれども、屋内でお過ごしの場合はエアコン、扇風機などをうまく活用してください。」と呼びかけました。しかし、活用したくてもできない方がいます。電気代の節約のために、寝ている時だけエアコンを止めることもありますが、夜間の熱中症による死亡も、全体の3分の1に上ります。経済的な理由からエアコンそのものが買えない家庭もあります。屋内で亡くなった方のうち、エアコンがあっても使っていなかった方は44.4%、エアコンそのものがない方は48.1%、合わせて92.5%の方が、エアコンを使っていない中で命を落とされています。
活用するためには、東京都が具体的な対策を取る必要があります。
多摩地域の把握は2か月先
都内の特別区では「東京都監察医務院」で、公衆衛生の向上を目的として、すべての不自然死において死体の検案や解剖を行い、死因の究明を行っています。その中で、亡くなった方の性別、年齢を把握し、検案などにより死因を「熱中症」と診断、状態から死亡推定時刻を割り出し、屋内のエアコン設置・使用等の状況を把握するという画期的な仕組みが作られています。これらは数日のうちに入力されており、今回の問い合わせでは前日まで把握できている数を表にして教えてくれました。
一方、「監察医制度」の指定が23区に限られているため、同じ都内でも多摩地域では検案医が少ないという格差が生じています。多摩地域では同様の業務を、都が医師会や大学等に委託しており、数の把握は1-2か月先なっています。今回申し入れるにあたり、多摩地域の実態が把握できなかったため、申し入れには東京都市町村会の東京都への要望も取り入れ、項目2として、「東京都監察医務院の監察医師数を増やすとともに、新たに多摩地域に拠点を設置すること」としました。
命を守るのは政治の仕事
熱中症に詳しい日本医科大学付属病院の横堀將司救命救急科部長は、すだれやカーテンの活用、親せきや近隣住民の訪問などの対応と合わせて、「エアコンを購入することができそして電気代などを気にして利用を控えることがないように行政には積極的な支援が求められている」と話しています。狛江市では6月から、高齢者や生活保護世帯などで、エアコンを1台も設置していない世帯に対して、エアコン設置代5万円の費用補助をしています。都内のどこに住んでも熱中症から命が守られる東京に、エアコン設置費補助と、電気代への助成を緊急に実施するよう求めます。